ライバル不在のUXライティングの教科書|50ヵ国以上で愛読された名著

UXライティングとは、ホームページやアプリ内などでの読み手の体験を助け、体験の価値を高めるように配慮した文章の書き方や技術のことをいいます。

UXライティングでは、ユーザーに配慮した書き方がとても重要になっています。

  • 行動を起こす前にモチベーションを向上させる
  • 行動に伴って指示を与える
  • 行動の後にフィードバックを返す

本書では上記をUXライティングに定義づけ、UXライティングのことをマイクロコピーと読んでいます。

この記事ではこの本の要約を噛み砕いてお届けします。

「もっと読みたい!」と思われた方は是非お手にとってみてくださいね。

この記事は、書籍「UXライティングの教科書」の要約や抜粋を含みます

著:キネレット・イフラ, 翻訳:郷司 陽子, 監修:仲野 佑希
¥2,970 (2021/11/28 10:45時点 | Amazon調べ)

マイクロコピーはデジタルプロダクトに3つのことを与えてくれる

マイクロコピーの役割

  • ポジティブなユーザーエクスペリエンスを提供し、顧客エンゲージメントを高める
  • インターフェイス上の作業がスムーズに進行するようサポートし、さまざまな障害を軽減してくれる
  • ブランドとターゲット顧客への十分な理解に基づくマイクロコピーは、ブランドの特性を際立たせ、ブランド差別化に役立つ

出典:UXライティングの教科書

ポジティブなユーザーエクスペリエンスを提供し、顧客エンゲージメントを高める

マイクロコピーは必要な局面で必要な言葉をユーザーに差し出し、彼らの行動をサポートする役割を持ちます。

これらの言葉はユーザーの不安を取り除いてくれます。

Webサイトで何か商品を購入する際に、注文画面で「ここはどうやって入力したら良いんだろう?」って思われたことはないですか?

私はあります。

例えば、下記のような入力欄があったとき、

お名前「     」

「山田」で良いのか、「山田 太郎」にするのか、はてさて「ヤマダ」な可能性も存在しています。

こういった際に、入力内容を教えてくれるマイクロコピーがあると、不安が解消されますよね。

インターフェイス上の作業がスムーズに進行するようサポートし、さまざまな障害を軽減してくれる

マイクロコピーの無い・少ないデジタルプロダクトでは、ストレス無くユーザーの体験が進行することが多くありません。

マイクロコピーはユーザーの体験がスムーズに進行するようにサポートする役割を持ちます。

これにより貴重な時間を無駄にしてイラだったり、「サポートが足りない・・。」と不安を抱いたりせずに済むのです。

ブランドの特性を際立たせ、ブランド差別化に役立つ

研ぎ澄まされた言葉で、ブランドのビジョンや価値を余すところなく伝え、ターゲット顧客に重要なメッセージを届けると本書に記載があります。

あなたの事業が特徴的なブランドである場合、マイクロコピーを用いてブランド価値を高めることさえできるのです。

面白い事例が本書で紹介されていたので、本書と同じサイトで別のマイクロコピーを調べてみました。

ナイキの404画面

ナイキでは404画面にて、下記のように記載しています。

「お探しのページが見つかりませんでした。ご不便おかけしてもうしわけございません。」

J.ピーターマンの404画面

J.ピーターマンというホームページでは404画面にて、下記のように記載しています。

「迷子のようですね。お探しのページは利用できません。ボタン『おうちに帰る』」

同じ404画面でもここまで表現が違うのです。

確かにマイクロコピーは、ブランドの差別化に貢献しているようです。

会話体ライティングを用いて真にサービス志向である

マイクロコピーは顧客サービス担当者と同等の存在なのだと捉え、威圧的な応対は避けることと本書には書かれています。

ルールは簡単で、会話では口にしないような言い方をしないだけで良いのです。

例を挙げると下記の通りです。

  • 既に当サイトへの登録が完了している場合は、アカウント名とパスワードを入力してください。
    ⇨ユーザー登録はお済みですか?それではアカウント名とパスワードを入力してください。
  • 電話での購入も可能です。
    ⇨商品のご購入は、お電話でも承ります。
  • パスワードをお忘れの場合
    ⇨パスワードをお忘れですか?

大手の金融機関や保険会社、行政機関など、かなり堅苦しいタイプの組織であってもこのようなマイクロコピーを使うべきと本書は言います。

どのようなマイクロコピーを設定すれば良いか悩んだ時は、仮想の顧客をイメージし、その顧客に話しかけてみましょう。

「通帳と実印はお持ちですか?」

会話体ライティングの6原則

  • ユーザーに直接語りかける
  • あくまでも自然に
  • 短くまとめ、ポイントを押さえる
  • 耳慣れた、いつも通りの言葉を使う
  • 脳動態を使う
  • 流れを作る

出典:UXライティングの教科書

会員登録の難易度を下げよう

ある大企業は、商品を購入する前に必ず会員登録をするという仕組みを廃止したところ、年に3億ドルも利益が増えたそうです

出典:UXライティングの教科書

ユーザーは会員登録が大嫌い(ユーザーにとって大きな障壁)なのです。

貴重な時間を費やしてまで会員登録することの意味をユーザーには説明する必要があります。

会員登録しないと購入できないサイトでは、私も「ならいっか。」と諦める事があります。

「じゃあユーザー登録をしなくても良くすればいいか」ということが言いたいわけではありません。

会員登録することで得られるメリットをユーザーに伝えれば良いわけです。

例えば初回購入は送料無料などしてくれるのであれば、ユーザーの満足度は上がりますよね。

プレースホルダーは消えてしまうことを理解する

「とりあえず入れておけ」といったようなプレースホルダーの乱用が見られるホームページをたまにお見かけします。

プレースホルダーはまともな理由がない限り使わないことを推奨すると本書は言います。

理由は下記が挙げられます。

  • あまり手間がかからず簡単に入力できるという印象を与える
  • プレースホルダーに入力した内容は消えてしまう

文字が多いとユーザー側の作業も多そうという印象を与えるため、一定の操作をユーザーが自力で最後までやらなければならない画面では、できるだけ文字を少なくした方が良いとのこと。

また、プレースホルダーは1文字でも入力すると消えてしまうため、入力内容を忘れてしまうと再度文字を全て消して確認する必要があります。

ユーザーからしたら「面倒くさい」ですよね。

入力項目はプレースホルダーではなく、ラベルとして使うべきなのです。

プレースホルダーは6つの場合にのみ使えば良い

  • 質問
  • カテゴリー
  • 具体例
  • 助言
  • 障壁の解消
  • 楽しい雰囲気作り

質問

Booking.com

Booking.comでは、「Where are you going?(どこに行きますか?)」と尋ねています。

このようなプレースホルダーであれば、行きたい箇所を答えたくなりますよね。

Booking.com

ちなみに日本語ページでは「目的地」となっているので、フォーマルな印象が見受けられます。

日本社会への適応なのかもしれませんが、このプレースホルダーも「どこに行きますか?」だと答えたくなると思いますよね。

カテゴリー

カテゴリーを定義すると、選択肢が絞り込まれて可能性だけに目を向けることができるようになると本書は言います。

soundcloud.com

ECサイトであれば、下記のようなプレースホルダーが良いかもしれません。

「商品名、型番、メーカー名で調べることができます」

具体例

プレースホルダーに例文を表示することで、どんな種類の情報を提供するべきかすぐにユーザーが把握できます。

助言

ユーザーが回答文を考えなければいけない入力欄の場合、考えるという状況を嫌うので入力欄を埋めて前に進めてあげることが重要と本書は言います。

プレースホルダーに助言を配置することで、ユーザーに重要ポイントを伝える役割を果たすのです。

お問い合わせフォームの本文欄にプレースホルダーで助言を用意してあげるのも良いかもしれませんね。

ボタンには”何を手に入れられるか”を書く

ボタンはどれだけ重要視しても過大評価にならないと本書は言います。

「無料で資料をダウンロード」よりも、「無料で資料をゲット」の方がお得感が増しませんか?

ダウンロードはユーザーがやるべきことであり、ゲットはユーザーが得るものです。

このように、文言1つとってもコンバーション率が大きく変わりそうなケースは大いにあります。

A/Bテストなどを用いて表現を変えていくのも1つの手ですね。

価値があるのであれば、価値だけを書くのも一考のうちです。

「全部の機能を無料で7日間使ってみる」

一連の購入手続きには普通のボタンを使おう

機能を伝えるボタンのマイクロコピーはこのままにしておくべきです。

編集、共有、まとめ、アップロード、保存などのボタンは標準化されていて分かりやすく、ユーザーも使い慣れています。

このようなマイクロコピーを変更してしまうと、

「いったいどのボタンが**の機能を持っているんだろう?」

とユーザーの不満の種になってしまうのです。

ブランドの事業内容を伝える404ページ

404ページでは、下記の記載が重要であると本書は言います。

  • 何が起きたのか、なぜユーザーがここに辿り着いたのかを伝える
  • 共感を示す
  • 脱出方法を提供する

404という数字を知っているユーザーは少数です。

専門用語など使わずに、ページが見つからないことをユーザーに伝えます。

その上で彼らが味わっている気持ちに寄り添うような言葉を付け足します。

さらに検索ボックスやホームページへのリンクを貼り、サイトの中心部や多くの人々が検索するカテゴリー、特に紹介したいページなどに移動できるようにすると良いと本書は言います。

マイクロコピーとユーザビリティの基本原則

マイクロコピーに求められるのは、ユーザビリティを向上させ、各種の障害をできる限り取り除いて、ユーザーがプロセスを手早く簡単に完了できるようにすることと本書は言います。

楽しんでもらおうという姿勢は保ちつつ、「分かりやすさと実効性」を伝えるのです。

ユーザーが最小限の努力でタスクを完了できるよう、どうサポートしていくかが重要となっています。

必要なときだけ、正確に、簡潔に、シンプルな言葉を使ってメッセージを届けてあげることが重要であると本書は言います。

例)
NG:文字数は5文字から40文字までです
OK:5~40文字

不安や懸念を軽減する

「メールアドレスを登録したら、大量にメールが送られてくるのではないか」

「メールアドレスが第三者に提供され、そこからスパムが届くのではないか」

このような不安や懸念を軽減するために、スパムを送らないということだけを伝えるのではなく、スパムは許容できないとの考え方も伝えている会社があります。

「メールマガジンは週に1回の目安で発行します。スパムは嫌いです。決してスパムを送りません。」

こんな表記でもユーザーの不安は軽減されることでしょう。

上記以外の電話番号や名前、住所などの個人情報についても、「何のためだけに必要なのかをユーザーに提供する」とユーザーの不安は軽減されます。

エラーやトラブルを防止する

ユーザーに何をするべきか伝え、エラーやトラブルに巻き込まれないよう予防する責任はあなたにあると本書は言います。

UXライティングを学ぶなら、本書以外は不要

著:キネレット・イフラ, 翻訳:郷司 陽子, 監修:仲野 佑希
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世界51カ国で愛読されているだけあって、UXライティングにまつわる重要なポイントが数多く提供されています。

本書はUXライティングを学ぶには有益すぎました。

日頃目にしているホームページをみると、使いづらいフォームが多くあることも再認識することができました。

本書を読んで以来、そのようなフォームを目にすると、「こうした方が良さそうだな」という意識も芽生えたため、無意識のうちに楽しくトレーニングすることもできるようになったのです。

ホームページ制作者はマイクロコピーの重要性を訴え、成果を出すために適切なマイクロコピーを選択することで依頼者を十分に喜ばせてあげることができるでしょう。

ホームページ制作者は必読ですよ。